ニッケイ新聞 2013年1月17日付け
サンパウロ市のフェルナンド・ハダジ市長が13年の予算のうち52億レアルを凍結させた。また、ジェラウド・アルキミンサンパウロ州知事は24億7400万レアルの予算凍結を発表した。15、16日付伯字紙が報じている。
1月15日付のサンパウロ市官報「ジアリオ・オフィシアル・ダ・シダーデ」によると、2013年のサンパウロ市の予算は420億レアルだが、そのうちの12%にあたる52億レアルを凍結させるという。凍結された予算で目立つものには、連邦政府からの資金で行う事業の20億レアルを筆頭に、諸経費10億レアル、サンパウロ市議員への公金支出7億レアルなどがあげられる。
52億レアルという額は、ここ5年間のサンパウロ市の予算凍結額としては、世界経済危機勃発直後の2009年の69億レアルより少ない。だが、15日に各局に通達された開放予算は日常必要とされるものに限られ、合計しても当初予算額の48・5%に過ぎなかった。
これはハダジ市長が、資金源が確保できていないプロジェクトへの予算の払い出しなどを凍結することで、開始後に事業が停止し、必要以上の出費や新たな借財を招くことや資金の浪費を防ぐためとされている。ハダジ市長はカサビ政権時代に結ばれた契約の見直しも視野に入れており、主な例として、監視体制も整わないまま、3年間で22億レアルの契約を結んだ市の清掃事業などがあげられている。保健や教育といった優先部門や、資金源が確保され事業日程も明確にされているプロジェクトや、既に進行中の事業やサービス、昨年中に実施済みの項目への支払いは、来週中に認められる予定だ。
サンパウロ市の各局が凍結予算を解除してもらう方法は二つしかない。一つは、プロジェクトへの協賛者のサインを集めて資金が確保できたことを明確にする方法で、もう一つは各局が経費を削減して支出を減らすことだ。凍結解除には、企画局や財政局、市政府、司法顧問からなる委員会の判断が必要とされている。
一方、アウキミンサンパウロ州知事は12日付官報で、投資11億レアルと支出14億レアルの計25億レアルの予算凍結を発表した。凍結の対象は主に交通部門と住宅部門で、最大は州道路局(DER)の4億3840万レアル。パウリスタ都電公社(CPTM)も1億3620万レアル、住宅局も1億280万レアルが凍結されている。
ただ、州の予算は1730億レアルで、凍結予算額は全体の1・5%にも満たないことを考えると、サンパウロ市の凍結額の大きさが伺える。ハダジ市長の慎重な財政運用の姿勢は、サンパウロ市議会の予算委員長であるミルトン・レイテ市議からも評価されている。