ニッケイ新聞 2013年1月17日付け
田中アルベルトさんは、妻の父(一世)と、日本の社会情勢について口論になったことがあるという。「具体性もなく『今の日本はダメだ』って語る義父に、俺が食って掛かったんです。ずっとブラジルに住んで、現状の日本知らないくせに偉そうに言うなって。俺は日本が大好きだから許せなかった」と話す田中さん。まさにある意味で「日本人より日本人」。デカセギ子弟独自の日本観が透けて見えた。
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茶道裏千家の初釜企画を担当した武田宗清さんは、「心を落ち着けてお茶と食事を楽しみ、大きな気持ちで新年を迎えて頂けるよう、一生懸命準備した」と企画に込めた思いを語る。当地支部設立当初から茶道の普及に努めた故・宗芳さんの娘で、七つの頃から茶道を嗜む。1954年に来伯した千宗興氏による初稽古も武田宅で開かれたとか。定年退職後から本格的に茶道界に参入、息子・娘と共に普及に努める。