ニッケイ新聞 2013年1月22日付け
皿にとったものは残さないというルールがある連邦直轄区のレストランで、14日に食べ物を残した客2人が翌日も来店した事に気づいた店主が文句を言った。口論の後出て行った客は2時間後に戻ってきて至近距離から3発連射。退職金で店を開けた店主はあえなく死亡した▼来る時はいつも誰かが一緒で、文句を言われた時も奥さん達と別の夫妻が同伴していたから、人前で面子を潰された腹いせもあったのだろう。犯行時は逃走用の車の運転者も含めた3人連れだったというが、最近はこの手の衝動的な犯罪が多い▼気が短い人は昔からいた訳だから、衝動的な犯罪多発は気の短さだけでは説明できない。ある本に、日本で〃切れる〃と表現する類の事件は、白米や白砂糖などの精白食品の害で脳がジャム化して起きると書かれていた。コロニアの医師が同様の話をしたのも聞いた事があるが、脳はジャム化しても食生活を改善すると正常化が可能とも▼ブラジル人は熱くなり易いというが、銃などの凶器が手に入る上に食生活の影響などが重なって起きる感情の爆発が衝動的な犯罪の原因だとしたら、食の見直しは急務かもしれない。好き嫌い言わずに食べる習慣を持つ子供はわがままになりにくく、与えられた仕事や役割も文句を言わずにこなすなどのメリットも生じるという▼決して気は長くないコラム子がこんな事を書くと、日頃見聞きする事と自己反省が結びついた証拠とも言われそうだ。衝動に駆られて何か事件を起こす前に「1から10まで数えてみよう」というキャンペーンもあった。怒りの言葉や行動が表出しないうちに、さあ、1、2、3…、と。(み)