ニッケイ新聞 2013年1月31日付け
南大河州サンタマリアの火災での死者が、231人から235人に増えた。現在入院中の被害者にも命の危険にさらされている人が多く、予断を許さない。30日付伯字紙が報じている。
一般鑑定研究所(IGP)によると、231人とされていた死者の数は29日、231人から235人に訂正された。29日に新たに亡くなった人は1人で、他の3人は人数確認作業の際に漏れていたという。3人のうち1人は事故直後に法医学研究所に直接移送された犠牲者がカウントされ損ねたもので、もう1人は似た名前の人物と混同されていた。残る1人がリストから漏れた理由は説明されていない。
29日に死亡したのは全身火傷でポルト・アレグレの病院に入院していたグスターヴォ・マルケス・ゴンサウヴェスさん(25)で、脳死判定後に母親のエライネさんが死を確認した。2年前夫を亡くしたエライネさんは、もう1人の息子デイヴェスさん(33)もこの事故で亡くし、一人きりとなってしまった。
30日朝8時現在の入院患者は143人に増えており、75人に命の危険があるという。入院患者が増えたのは、有害な煙を吸って薬物性肺炎の症状を訴える人が出ているせいだ。
一方、サンパウロ州出身のラファエル・パウロ・ヌーネス・デ・カルヴァーロさん(32)の遺体は29日、故郷ABC地区サントアンドレで埋葬された。ラファエルさんは25日が誕生日で、交換留学で知り合った友人に誕生日を祝ってやると誘われてサンタマリアに出向いていた。家族はラファエルさんが「毎試合見に行っていた」というほど大ファンだったサンパウロFCのユニフォームを着て埋葬に臨んだ。
また、南大河州検察局は出火の元となった「Kiss」の監査の不備を問うべく、市の担当部署と消防局の調査をはじめることを決めた。