ニッケイ新聞 2014年4月12日
国家バイオ保全技術委員会(CTNBio)が10日、デング熱のウイルスを媒介するネッタイシマカ(アエデス・アエジプチ)の数を減らす効果のある遺伝子組み換え種の安全性を承認したと11日付エスタード紙が報じた。
CTNBioで協議されたのは、DNAの一部を組み換えた卵から生まれたネッタイシマカのオスを自然界に放つ事で、交配したメスが産んだ卵は成虫となる前に死んでしまうという、バイア州のジュアゼイロで行われていた実験の成果だ。
ネッタイシマカのオスは人を刺さないため、自然界に放ってもデング熱の感染を引き起こさず、かつ、新しい世代のカがいなくなれば、それ以上の感染は起きなくなるため、デング熱撲滅の新対策となる。ジュアゼイロでは英国のモスカメド社が培養した遺伝子組み換え種のオスを使ったが、オシテック社は既にサンパウロ州カンピーナスに、週100万匹の遺伝子組み換え種のカを培養する能力を持つ工場を建設済みだ。
CNTBioは遺伝子組み換え種の動植物の安全性を承認するのみで、関係省庁への商品登録は今後の課題だ。現時点では、オシテック社は国家衛生監督庁(Anvisa)に登録申請を行うと見られている。ジュアゼイロでの実験は2011年から行われ、同地域でのネッタイシマカの数は実験開始時より90%減っている。