ニッケイ新聞 2014年4月15日
13日にサンパウロ市パカエンブー・スタジアムで行われたサンパウロ州選手権決勝で、昨年まで全国選手権のランク外だった、サンパウロ州内陸部イトゥーのクラブ、イトゥアーノがサントスをPK戦の末に振り切り、通算2度目の優勝を飾った。14日付伯字紙が報じている。
今回のサンパウロ州選手権の主役は間違いなくイトゥアーノだった。開戦前はほとんどノーマークの状態だったが、予選でサンパウロを破り、さらに予選グループ2位となってコリンチャンスを脱落させる形で決勝トーナメント進出。準決勝では予選絶好調だったパルメイラスに競り勝ち、6日の決勝第1試合でもサントスに1―0で先勝など、台風の目となっていた。
13日に行われた第2試合はサントスに敗れたものの、サンパウロ州一を誇る強力なサントス攻撃陣の猛攻を1点に抑えた。2試合の合計は1―1の同点となったため、決着はPK戦にもつれこんだ。
PK戦も追いつ追われつの大接戦となったが、今大会19試合で失点わずか11点と鉄壁の守りを誇ってきた守護神ヴァギネルがサントス8人目のネットのシュートを止めた瞬間、PK戦7―6でイトゥアーノの優勝が決まった。
次々と金星をあげてきたイトゥアーノにとり、2002年以来12年ぶり2度目の優勝だが、前回優勝時は「サンパウロ州4強」がほとんど参加しておらず、今回の方がより大きな意味がある。
この優勝でイトゥアーノは今年の全国選手権4部の出場権を得た。07年までは同選手権2部所属と、元来地力は持っていたが、以後、3部、4部と降格。09年を最後に陥落していた。
だが、サンパウロ州選手権での健闘チームの常として、優勝メンバーの流出は早くも予想されている。現時点でディフェンダーのアンデルソン・サレスのパルメイラス、フォワードのエスケルジーニャのコリンチャンス移籍が内定し、守護神ヴァギネルも試合後、進路について無言のままだった。