ニッケイ新聞 2014年4月24日
「日本食品に対するアンケート調査」が先月、JETROサイトで公開された。日本人を除く500人のサンパウロ州民を対象に昨年行われたもので、サンパウロ州民の好きな外国料理はイタリア料理に続いて日本料理が第2位だという。伊料理を1位に選んだのは回答者の41・4%で、日本料理は30・8%。3位の米国7%、4位の中国料理5%を大きく引き離した▼伊移民は歴史も古ければ、数も150万人と日本移民をはるかにしのぐ。在伯伊大使館によれば、当地の伊系ブラジル人は約3千万人に上るとか。日系社会が150万人規模だから、伊系社会はその20倍だ。にも関わらず、日本食が10%程度の差で2位につけたのは快挙であり、日本食の当地における存在感の強さの現われといえる▼さらに調査結果を見ると、日本料理を好きな人は20~30代に多く、伊料理を好きな人は40~50代に多い。日本食ブームの波に乗って、若い層からじわじわ日本食ファンが増えているようだ▼日本食を好きな理由は1位が「味の良さ」で2位が「健康に配慮」。それに続くのが「その国が好き」とか。「国が好き」という理由で料理まで好きというのは、かなり熱烈な日本愛好者ではないだろうか。若い層に日本食ファンが多いことを考えると、漫画やアニメの影響も少なくなさそうだ。とにかく、日本という国に対する評価の高さが伺える▼最後に好きな料理をチェックすると、予想にたがわず、まず「寿司・刺身」「天ぷら」、3位には意外なことに「とんかつ」がランクイン。「日本食なら何でも健康的」との多大なる誤解があるような気もするが、日本人としては嬉しい調査結果である。(阿)