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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2013年12月10日

 教育省の審査で低い評価を受け、全伯の大学270学部の入試が停止された。ブラジルの高等教育のレベルが低いというより、質の伴わない、商業目的中心で作られた大学がそれだけ多いということだろう。
 停止された多くは私学だった。私学なら学費は安いわけはない。入試停止措置を取られるほどの質の低い教育に、高い学費を払っていると知ったその在学生は、どういう思いでいるのか。借金までして学費を払っている学生も多い昨今、時間と札束をドブに捨てていたような現実に愕然としたに違いない。
 このような高等教育機関への対処も重要だろうが、本来は基礎的な教育にこそ最大の力を注ぐべきだろう。大学生の外国留学を促進する「国境なき科学」政策が目的とするエリート育成もいいが、教育全体の底上げをしなくては、国境を越えて高く遠く羽ばたくことも難しい。(詩)