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橋本さんオカリナ工房完成=「演奏、製作教室に来て!」

ニッケイ新聞 2013年12月11日

 オカリナ工房が先月完成し、11月末からを目処にオカリナ演奏と製作の教室を開く橋本巨太郎(こうたろう)さん(71、福井)が、案内のため来社した。
 農業移住のため1959年に来伯し、マナウスで胡椒栽培を行った。その後、サンパウロ市での旅行会社経営を経て99年に日本に帰国。かつて林業を経験したことから造園業を学ぶべく日本へ赴いたが、バブル崩壊後の影響もあって頓挫し、名古屋市で会社員として勤務することになった。
 オカリナは当時から趣味にしており、「優しい音色が、疲れを癒してくれるようでね」とうれしそうに語った。しかし多忙の中、通信学習すらこなせない日々が続いた。
 その後、05年の愛知万博でオカリナ演奏を行った鈴木夏織さんが、同市で演奏教室を行っている事を耳にし、「こんな近い場所で、優秀な方が教室を行っているのだから」と師事することに。そうして約4年間、演奏や製作技術を吸収した。
 当時は、福祉施設等で演奏会を行うこともあり、「涙を流す高齢者もいてね。オカリナの持つ力を身をもって体験した」と振り返った。
 日本では100万人を越える愛好家が存在するにも関わらず、当地ではあまり普及していない現状を変えたいとの思いや、生活の拠点があったこと、家族、友人らとの再会を目的に、11年再来伯した。「オカリナの音色で癒しを感じる日系人、特に高齢者も多いのでは」との思いから、約半年前にオカリナ工房の建設に取り掛かった。
 そして先月、念願のオカリナ工房が完成し、土台が整った。教室を開くにあたって「演奏だけでなく、製作技術を広めたい。そのためにもブラジル人向けにポルトガル語もこなす指導者を育てなければ」と抱負を語り、「和太鼓やギターとの合同演奏や、日本の著名演奏家を招待してオカリナコンサートを行えたら」と今後を見据えた。
 問合せ、詳細は橋本さん(電話=11・3384・4457、メール=kotaro806@yahoo.co.jp)まで。