ニッケイ新聞 2013年12月12日
受刑者の扱いは平等に—。11月末、裁判所がメンサロン事件の受刑者と他の受刑者の扱いは平等にという命令を出したが、その後も続いていたメンサロン事件受刑者訪問への特別措置停止が6日に発表された▼一般の受刑者の家族や親族は早朝から長蛇の列を作り、限られた曜日の限られた時間だけ訪問を行うが、メンサロン事件の受刑者の家族や国会議員は曜日や時間に関係なく訪問、列に入る必要さえないとなれば他の受刑者やその家族の不満が募るのも当然だ。11月の措置で改善されなかったため、再び裁判所が動いた▼首都パプーダ刑務所の訪問日は水、木曜。訪問登録者10人中9人は親戚縁者に限られ、1回の訪問は4人まで。連邦直轄区保安局は国会議員の訪問はいつでもOKというが、家族らの訪問は同じ扱いになった▼裁判所の再勧告は他の受刑者の妻達の署名活動故で、その要求には訪問者用の受付を通る順番確保のため、2日前からセーニャを配るという項目もある。現在は未明から並ぶ訪問者もいるというから当然だろうが、受刑者は家族や親族の苦労を知るや否や。まして、無神経に車で乗り付ける国会議員達は選挙民が日頃経験する苦労のどれだけを理解しているのか▼ワイシャツを着て働くホワイトカラーと呼ばれる人々が裁かれるようになっただけで〃進歩〃と騒がれた国だから、刑務所の中での政治家や大卒者への扱いが違う事への驚きは少なかったし、特権階級という言葉が完全になくなるのは困難だろう。選挙前はきれい事を並べ立てる政治家が多いが、今回の措置で〃特権階級〃の受刑者達も、平等という言葉の意味を多少なりとも痛感する事になる筈だ。(み)