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北大河州知事に更迭判決=地方選挙での職権乱用で=弁護士は控訴する意向

ニッケイ新聞 2013年12月13日

 リオ・グランデ・ド・ノルテ州の地方選挙裁判所が10日、同州のロザルバ・シアルリニ知事(民主党・DEM)が昨年の地方選挙において、同州第二の都市モソローの市長選で政治的・経済的に権力を乱用したとして、同知事を有罪とし、更迭する判決を出した。11日付エスタード、フォーリャ紙などが報じた。
 同知事が同じDEMに所属するモソロー市のクラウジア・レジーナ市長の応援の際に職権を乱用したとの判断は、地方選挙裁判所の第一審で出ていた。第一審では、レジーナ市長の罷免と、職権乱用を理由とした同知事に対する3万Ufirs(関連参考単位)の罰金支払いが命じられたが、これに対して同市長が控訴し、その見直し審理の結果として言い渡されたのが今回の判決だ。
 再審の判決は第一審より厳しいもので、市長の罷免だけでなく知事をも更迭するというものだった。同知事は同市長の応援のため、州政府の公式なイベントに出席するという名目で州政府専用機を利用し、州都ナタールから278キロのモソロー市に56回も赴いており、それが職権乱用にあたると判断された。
 モソロー市は同知事の出身地で3期市長を務めており、いわば〃お膝元〃とも言える都市だ。
 同知事のフェリペ・コルテス弁護士は、「(検察からの)告訴の内容に更迭の申し立てはなく、裁判の段で突然言い渡された」として判決を不服とし、高等選挙裁判所に控訴する意向だという。
 知事の更迭を命じた判決内容は12日正午時点ではまだ正式に官報に掲載されていないが、知事はそれを待たず既に州知事公邸を後にし、自宅で業務を行っているという。更迭後の後任は2011年の選挙戦で同知事に敗れたロビンソン・ファリア副知事(PSB)が務めることも裁判所が命じている。
 この措置で、全国で唯一だったDEM所属の知事は事実上皆無となる。DEMのジョゼ・アグリピノ党首(同州選出上議)は10日、「(知事の)〃誠実さ〃を常に信頼している」として知事を擁護する意向を表明している。