ニッケイ新聞 2013年12月13日
写真=新たに導入された近代的な設備の様子
ブラジル国内最大の醤油、味噌のシェアを誇るサクラ中矢(中矢レナト社長、本社サンパウロ市)は10日、サンパウロ市内のレストランで記者会見を開き、2500万レを投資し、ゴイアニア州オウヴィドール及びサンパウロ州ボイトゥーバの2工場の拡張工事が終わったと発表した。特にオウヴィドール工場について、中矢社長は「近年日本食のブームが起こっている北部、北東伯地域への商品供給の拠点となる。同地域へのさらなる日本食の普及に貢献したい」と本紙の取材に応え、積極的な北伯への日本食普及に意欲を見せた。
首都ブラジリアから南方約300キロに位置し、1999年から稼動するオウヴィドール工場は、工場面積を1万平米から3万平米に拡張し、新たな瓶詰め用の機械を導入。従業員も40人から100人程度まで増やした。
生産する商品も、従来チリソースが中心だったものに、醤油、トンカツソース、にんにくソースなどが加わった。年間生産量の総数は8400万本を見込む。今年11月4日に開所式が行われ、来年初頭からの稼動を予定する。
今後、市場拡大が見込まれるのは、経済発展が近年注目されている北伯、北東伯地域だ。同地域での売上げは昨年1年間で約1割増を記録している。現状では「同地域での売上げは全体の15%程度」(オハラ・ロベルト副社長)に留まるが、同地域の問屋筋からは「日本食レストランが急増している」との情報が寄せられており、かなりの市場拡大が期待されている。
今回の投資に加え、中矢社長は「今後(オウヴィドールより)さらに北部に工場を設置することも視野に入っている」と話すなど、同地域での積極的な売上げ増を図る姿勢を示した。
これまで麹のみを生産していたボイトゥーバ工場では、工場面積の拡張はないものの、岡山県などの機械メーカーから大型の味噌製造機を輸入し、新たに味噌の生産が始まった。こちらはすでに今年4月から稼動が始まっており、畑中ミリアン広報によれば麹、味噌を合わせた総生産量は年間3千トンを見込むという。