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ゴイアスの刑務所で暴動=少女強姦・殺害の容疑者収監で

ニッケイ新聞 2013年12月14日

 ゴイアス州南東部のカタロン刑務所で12日午後、8歳の少女の強姦・殺害容疑で捕まった37歳の石工が収監された事を不服とする収監者らが暴動を起こし、刑務所職員1人と収監者4人が負傷するという事件が起きた。
 強姦・殺人の犠牲となったのは8歳のイアスミン・マルチンス・デ・ソウザ・シウヴァさん。8日に母親が働いているフェイラに行くために祖母の家を出たが、母親の所には現れず、そのまま行方不明となっていたが、9日に工事現場で遺体となって発見された。
 母親の証言によると、少女は誰とでも話をするタイプで、1日に何時間も家の外で過ごす事があったが、事件の数日前から様子が変わり、夜も11時半頃まで帰って来なかったりした上、家の中でもじっとしていなかったという。
 容疑者の石工は少女の友達の父親で、少女が行方不明になった日に少女と一緒に居たのを見たという目撃証言があり、11日に遺体が発見された工事現場で逮捕された。
 容疑者は強姦の前歴があり、殺人未遂で逮捕状が出ていたが逃亡中の人物で、今回の逮捕は表向きは殺人未遂事件による逮捕だが、警察は目撃証言から、イアスミンさん強姦・殺人の容疑をかけて同容疑者の行方を追っていた。本人は容疑を否定している。
 だが、本人が否定しても納得がいかないのはカタロン刑務所の収監者達だ。昼食後に各々の部屋に戻るようにとの命令を無視して刑務所内の通路を占拠した収監者達は、同容疑者が収監されていた特別室に侵入しようとした。
 刑務所職員があわてて容疑者を移動させ、刑務所内の駐車場に停まっていた警察車両の中にかくまったため、同容疑者自身は事なきを得たが、収監者達は石や鉄材、ナイフ、錠前などを手にしていたため、刑務所の管理者が刑務所内での暴動鎮静化のための特別部隊派遣を要請。銃声は外部からも聞こえ、収監者を訪問するために近くまで来ていた家族らが色を失う場面もあった。
 カタロン裁判所の裁判官によると、カタロン刑務所の収監者達が同容疑者を受け入れる意思がない事は知っており、受け入れてくれる刑務所も探したが、どこも空きがなく、カタロンに収監せざるを得なかったという。
 ブラジルでは、女性や子供を対象とした強姦、殺人は毛嫌いされ、刑務所内で容疑者がリンチにかけられたり殺されたりする例も少なくない。(13日付G1サイトより)