ニッケイ新聞 2013年12月14日
来年6月のワールドカップ開幕まで半年を切った現在、使用予定の全国のスタジアムはまだ半分しか完成していないという状態の中、整備・建設中の交通インフラはその75%が遅延、または試合までに間に合わないことが明らかになっている。
W杯に向け予定されていた軽量の列車(VLT)、バス、高速道路、空港などの交通インフラ整備事業74件のうち、18件が中止、38件の完成時期の延期が決まっている。
これらの事業は国内12州で行われる試合の観戦に訪れる人々の移動手段として欠かせないだけでなく、市民に公約していた都市開発事業でもある。
当然ながら連邦政府、州政府、市から予算が出ているが、自治体の長らは工事の遅れや中断について、ビューロクラシー、雨などの悪天候、不測の事態、工事許可取得の難航などを理由に挙げている。
スポーツ省によれば、事業中止になった18件を除く56件のうち、実質完成見込みがあるのは既に終了したものを含む45件にとどまるという。残る11件はPAC(経済活性化計画)適用のプロジェクトとなる。つまり、既に大会には間に合わないことが確定したものということだ。
これに伴い、当初予定されていた投資額は119億レから70億2千万レに減り、スタジアム建設への投資額よりも8億レ少なくなった。しかし、一部工事にはより多額の支出を余儀なくされるという。
例えば、パラナ州クリチーバ市の鉄道バスターミナルと国際空港をつなぐ道路建設がそれだ。2010年の計画当初は1億480万レの予定だったのが、1億4319万レとなっている。
他にもマット・グロッソ州クイアバ市の軽量の列車は、12億6千万レから15億7千万レに跳ね上がった。
W杯全体で投資される金額は330億レと推定されていたが、現在は256億レに減った。その中で民間からの投資額は38億レに過ぎない。つまり、全体の80%以上は国あるいは自治体の予算から出ていることになる。(9日付G1サイトより)