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OECD=G20のGDPを比較=ブラジルは0・5%減で最悪=インフラ投資効果も遠く

ニッケイ新聞 2013年12月14日

 経済開発協力機構(OECD)が12日に発表したデータによれば、20カ国・地域(G20)の第3四半期(7〜9月)の国内総生産(GDP)は前期比で平均0・9%成長し、上げ幅は前期の0・8%から若干拡大した。ただしブラジルは0・5%減とマイナス成長で、G20の中で最も低い数字だった。12日付G1サイトが報じた。
 OECDはブラジルの結果について、「前期の成長率が1・8%という大きな伸びを記録したことも原因の一つとして考えられる」としている。ブラジル以外にマイナス成長だったのはフランスで前期比0・1%減に終わった。
 一方、最も高い成長率を記録したのは中国で、前期の1・9%増よりもさらに高い2・2%増。次はインドの1・9%で、インドネシアと韓国はそれぞれ1・3%、1・1%増で前期と同率の成長を維持した。日本は0・5%増だった。
 ブラジルの経済減速が改めて数字で示された格好だが、14年W杯、16年五輪に向けたインフラへの投資も、来年のGDP成長への貢献は〃控えめ〃だと8日付エスタード紙は報じている。
 例えば、政府は今年中に五つの高速道路の入札を済ませる予定だが(三つは既に入札済み、二つは今月中に実施予定)、契約後の初年度は、5件合わせて20億レの投資が行われることになる。
 先月下旬に巨額落札されたリオのガレオン、ミナスのコンフィンス両空港の運用権は、来年9月頃、落札者の手に託されるため、来年は大きな投資効果は期待できない。
 ブラジル最大規模の岩塩層下油田(プレサル)であるリブラ油田の場合も同じことだ。10月下旬に落札されたペトロブラスを含む5社連合は今後の事業計画と予算について協議するための会合をもつ予定だが、グラッサ・フォステル総裁は「〃現実的な〃計画になる」とコメントしている。
 この油田は80〜120億バレルの埋蔵量があると推測されるが、最初の採掘作業開始は2014年末から15年頭とみられている。企業連合は、同油田には予測通りの商業的価値があるかどうかの結論を今後4年間で出す契約になっている。その結果如何で、今後の投資額の多寡が決まることになる。
 コンサルタント会社Inter.Bのエコノミスト、クラウジオ・フリシュタク氏の見方によれば、インフラ事業は来年のGDPの成長に0・4〜0・5%ポイント程度貢献するという。同氏は来年のGDPは2%成長と予測しているが、1・5%との予測もある。
 また、ブラジルインフラ産業協会(Abdib)は、インフラ投資のGDP比率が6%に達するには、投資規模を毎年17・4%増やし、2016年までそれを続ける必要があるという。