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6年で喫煙者2割減少=Aクラスでは逆に増加

ニッケイ新聞 2013年12月14日

 サンパウロ連邦大学が11日、2006年から2012年の間に全国の喫煙者の割合は20%減ったと発表したと12日付エスタード紙、フォーリャ紙が報じた。
 回答者は149市に住む14歳以上の人4607人で、恒常的な喫煙者は19・3%から15・6%に減少した。これを現在のブラジルの総人口に当てはめると、喫煙者は1940万人、周囲に喫煙者がいるためにタバコの煙を常習的に吸い込んでいる受動喫煙者は7千万人と推定される。
 喫煙者の減少は若年層ほど顕著で、未成年の喫煙者は6・2%から3・4%へ45%減少。男性の喫煙者は27%から21%へ22%、女性の喫煙者も15%から13%へ減った。
 所得別の喫煙者は低所得者の方が多いが、喫煙者はAクラスを除く全ての階級で減少。Aクラスの場合は5・2%から10・9%に倍増した。
 また、喫煙を止めたいと考えている人は喫煙者の90%に上り、06年の81%より増加。ただし、実際に禁煙するための具体的な計画を立てている人はその内の17%に過ぎなかった。また、止めようと試みた事がある人は7・3%だった。
 喫煙者の減少は、公共の場所が禁煙となった事やタバコの値上がり、タバコの害に関する知識普及などが原因と見られている。13年間タバコを吸っていたが、禁煙法のせいで今年に入って止めた27歳の青年は、「今は食べ物の味もわかるし、以前は鼓動が激しくなって続けられなかったサッカーもやれるようになった。節約額は月に300レアル」と語っている。
 今後の課題は、より重篤なタバコ常習者をいかにして禁煙に至らせるかだ。今回の調査でも、喫煙者の1日当たりのタバコ消費量は12・9本から14・1本に増加。起床から5分以内にタバコを吸い始める人も、17・9%から25・3%に増えている。