ニッケイ新聞 2014年4月26日
「サンパウロ市誕生の父」とも称されるアンシエッタ神父(1534~97年)の列聖に伴うミサが24日夜(ブラジリア時間では午後1時)にローマで開催された。ミサの最後にはブラジルの政治家たちの行動に驚き、フランシスコ法王が途中退出するハプニングも起きた。25日付エスタード紙サイトが報じている。
アンシエッタ神父の聖人化は400年以上待望されており、2月27日にフランシスコ法王が列聖を認める発言を行ったのち、今月3日に法王による列聖宣言が行われた。この列聖宣言は正味1時間程度のものであったため、ローマの聖イグナチオ・デ・ロヨラ教会で24日、法王の司式のもとでアンシエッタ神父の聖人化を祝うミサが行われた。
同ミサにはブラジル全国司教会議(CNBB)が厳選した政治家や、アンシエッタ神父の属したイエズス会の聖職者ら約1200人が参加した。参列者の多くはブラジル人だったが、アンシエッタ神父の出生地のカナリア諸島の代表の姿も見られた。
同ミサでのフランシスコ法王はポルトガル語で挨拶と祝辞を行ったが、説教はアンシエッタ神父にとっても母語であるスペイン語で行った。
だが、そのミサの後、参列者が法王の手に口づけする儀式を行う際に混乱が起きた。フランシスコ法王がジウマ大統領の代理として参加したミシェル・テメル副大統領と話している最中、ブラジルの政治家が一斉に近づき、法王を驚かせた。近づいてきたのはレナン・カリェイロス上院議長やリカルド・フェラッソ上議、アナ・リタ上議、ジェルソン・カマタ元上議、エスペリジアン・アミン下議で、いずれも口づけの儀式への参加は認められていなかった。
動揺した法王は口づけの列から外れ、教会の正面玄関に向かった。そこはミサに参加できなかった100人ほどの人で溢れ、報道関係者らにもみくちゃになる騒ぎとなったが、法王はそのままバチカンに帰還した。