日本政府による「2014年度春の叙勲」受章者が発表された。今年はサンパウロ、ベレン各総領事館館内から、小野重善、川村真倫子、菅野鉄夫、下本八郎、森口イナシオ忠義の5氏が選ばれた。
元汎アマゾニア日伯協会会長の小野重善さん(75、福岡、旭日双光章)=ベレン=は63年から同協会学生理事として日系社会に貢献した。現在パラー高拓会、ベレン福岡県人会の会長。
「非常に光栄なこと。天皇陛下にお会いできるのがとても嬉しい」と素直な喜びを語り、「これからも二世、三世への日本語教育を中心に日系社会の問題解決に取り組んでいきたい」と話す。
日本語学校「松柏学園」創設者で同学園長の川村真倫子さん(本名・万里子、85、二世、旭日単光章)=サンパウロ市=は同地における日本語教育草分けの一人。今年で教師生活64年目。現在も園長職の傍ら、教壇に立ち日本語の普及に努める。
「ブラジルは母で日本は父。お父さんに褒めてもらったよう」と受勲を喜びつつも「生徒や父兄、支えてくれた社会に対して贈られたもの」と感想を語った。
下本八郎さん(78、二世、旭日中授章)は71年から99年までサンパウロ州議を連続8期29年務め、伯日友好評議員会会長など日系団体の要職を歴任した。
「叙勲を受けられるとは思ってもいなかった」と驚きつつも「日本政府から認めてとても嬉しい」と話す。
森口イナシオ忠義さん(79、二世、旭日双光章)=サンパウロ市=は84年からサンパウロ援護協会理事を務め、07年から11年まで会長として活躍。日系社会の福祉向上に貢献した。
「多くの方にお世話になってきました」と振り返り「社会に尽くす気持ちを持って生きられたことを神様に感謝」と受勲を喜んだ。
菅野鉄夫さん(85、福島、旭日双光章)=サン・ジョゼ・ドス・カンポス市=は汎パライーバ地方日系団体連合会会長、元サン・ジョゼ・ドス・カンポス文化協会会長として日系社会の発展、ブラジル社会との融和に尽力した。また援協評議員会副会長、元カンポスさくらホーム経営委員長として福祉の向上に貢献した。