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米国3大学に合格の学生=資金集めのキャンペーン中

ニッケイ新聞 2014年3月19日

ゴイアス州ゴイアニア在住のカイオ・エンリッケ・シウヴェイラさん(18)が、米国で航空宇宙工学を勉強するという夢を実現するための資金集めのキャンペーンを行っている。

大学教授を父に持ち、常に公立学校で学んできたカイオさんは、米国内の大学三つに合格し、フロリダ工科大学からは年間1万6千ドルの奨学金ももらえる事になった。

だが、奨学金でカバー出来ない費用が年額8万2千レアルに上り、自分達では払いきれないという。カイオさんは厳しい現実を前に、学資を集める方法を考え、「Help Caio」というサイトを立て上げた。

サイトには、これまでのカイオさんの歩みや同工科大学で学びたいと考えるに至った経緯などを掲載。米国の大学に合格する事の難しさを知るカイオさんは、せっかく手にしたチャンスをものにしたいと切望している。

フロリダ工科大学の入学手続きは5月1日が締め切りで、その日までに300ドルを収めなければならない。4年間でかかる費用は32万9千レアルというが、この額は為替の変動などで変わりうる。入学手続きなどが上手くいけば、8月の開講にあわせ、7月中に米国に旅立つ事になる。

カイオさんはサンパウロ州のジャカレイ市で生まれ、11歳までそこで育った。その後は家族と共にゴイアニアに転居。中等課程(高校)を履修したゴイアス州の軍警学校では2年間、模範生として表彰され、英語の能力検定や国際数学オリンピックなどにも参加、優秀な成績を収めてきた。

幼い頃のカイオさんは飛行機のパイロットになる事を夢見ていたが、色盲である事が判って断念した。しかし、2013年8月にボランティアの会議に出席するために米国に行き、スペースシャトルを見て宇宙工学を専攻しようと決めた。

カイオさんは軍警学校在学中の2013年に、外国留学を希望するブラジル人学生支援のための無償プログラム「パーソナル・プレップ・スカラーズ」にも参加。高校3年生からの合格者75人に入ったカイオさんには、ゴイアス州議会からの特別顕彰も行われた。

13年には、インドで開催された第19回科学・数学・知能・エレクトロニクス国際競技会に軍警学校から参加した6人の代表の一人として、700人の参加者を前に英語でスピーチを行う機会も得、自分の考えを円熟させるのに役立ったという。

カイオさんがフロリダ工科大学からのオファーを受け取ったのは1月28日。カイオさんはゴイアス連邦大学とサンパウロ州サンジョゼ・ドスカンポスのヴァーレ・ド・パライバ大学(UniVap)の入試にも受かっており、UniVapの入学手続きを終えていたが、オファーを受けて同校入学を取りやめた。現在は英語を教えて収入増を図るなど、米国行きの準備を進めている。

カイオさん一家は、前述のサイトの他、企業に寄付を呼びかけるためのプロジェクト立ち上げを計画するなど、家族ぐるみでカイオさんの夢実現を応援中だ。カイオさんは、卒業後はブラジルに戻り、国内での宇宙工学の発展に尽くしたいと語っている。(17日付G1サイトより)