ニッケイ新聞 2013年11月5日
写真=灯籠を買い求める人々
ブラジルのお盆、死者の日(フィナードス)に合わせ、伝統の『第59回レジストロ灯籠流し』が2日、リベイラ川沿岸のベイラ・リオ広場で開催された。レジストロ地方移民入植百周年祭実行委員会、同市の日伯文化協会、市役所、文化体育協会、日蓮宗恵明寺の共催。移民入植百周年式典のため来伯していた姉妹提携都市の岐阜県中津川市から慶祝団11人が参加し、約3万人が日本の伝統行事で先祖を偲んだ。
同文協の金子国栄会長は開会式あいさつで、「近隣と共に入植百周年を祝いたい。地域の輪を大切にし、盛大に喜び合いたい」と述べた。
続いて実行委員の佐々木悟委員長は「金銭面の協力に感謝。一番心配していた天候にも恵まれ、中津川の人たちも楽しんでもらえたら」と話した。ほか来賓には羽藤ジョージサンパウロ州議、同市のジウソン・ファンチン市長、姉妹提携を結ぶ中津川市の青山節児市長らが駆けつけた。
メインステージでは、レジストロ民謡大和会など各団体が演目を披露。健康表現体操協会は「ズンドコ節」「海を渡って百周年」の曲に合わせ観客を楽しませた。た。また同文協婦人部などが、マンジューバ、カキをはじめとする名産品や日本食を提供し、雑貨に衣類、CDなど各販売ブースが立ち並んだ。
灯籠は障害者父母友の会(APAE)、青少年保護施設(AME)が作成、全2500基がリベイラ川の川面に揺れた。
ソロカバ市から訪れた早川量通(かずみち)さん(70)は「灯籠流しもだが、友達にも会えて良かった」と笑みをこぼし、サンパウロ市在住の山内和子さん(71)は「先祖を供養してもらえた」とにこやかに話した。
金子会長は広場を見渡し「3万人ほどの来場が見られ、今年は特に人出が多いのでは。墓参りを前後にずらし、お盆当日はここに来てくれる人も大勢いる。日系、非日系など人種に関わらず楽しめるところが良さ」と満足げな笑顔を見せた。
中津川市から慶祝団の一員として参加した、同市市長公室長の西尾謙二、同市生涯学習スポーツ課職員の林佳生さんは「日本の祭りよりも日本らしく盛大」と、異国での日系イベントに目を丸くしながら、楽しんだ様子だった。
午後10時半には花火が盛大に打ち上がり、観客はその華麗な演出に見入った。その後も人々は盆踊りを楽しみ、祭典は日が変わるまで続いた。