ニッケイ新聞 2013年11月13日
おてんばで勝気な女の子モニカと、その友人たちの日常を描いたブラジルの国民的漫画シリーズ「トゥルマ・ダ・モニカ」(Turma da Monica)が今年で50年目を迎えた。その節目の年を記念し、サンパウロ市の公園や観光スポット、大通りなどの各地では8日から、さまざまな色やデザインであしらわれたモニカの彫刻作品50体が飾られている。
プロジェクト名はその名も「モニカ・パレード」。高さ1・6メートルのガラス繊維で作られたアーティスティックなモニカを、市内各所で見ることができる。
原作者は、ブラジルを代表する漫画家で、かつては手塚治とも交流を持ったという親日家でもあるマウリシオ・デ・ソウザ(78)。彫刻作品はマウリシオ本人が選んだ50人のアーティストによってデザインされ、原作者自身も制作に携わったのだが、サンパウロ市の高級ショッピング街オスカール・フレイレ通りにあった作品の一つが、あっという間に盗まれてしまった。
盗まれたモニカは同通り600番にあったもので、8日午前3時に設置されたが、そのわずか3時間後、設置された場所の近くにあった新聞スタンドの従業員が午前6時に店を開けに来たときには、既に姿を消していたという。宣伝担当のパニーニ社によれば、現在警察が捜査中だ。
作品を手がけたアーティストのロボは、「泥棒以外は誰も作品を見ていないのではないか。とても悲しい」と落胆を隠せない様子。しかし、「作品作りには丸7日かかった。ほかにもたくさん仕事があるので、新たに作り直すことはしない」とコメントしている。
「モニカ・パレード」では、そのほかにも少なくとも3作品に落書きなどの被害が出ており、既に修復が行われている。
作品は来月8日までの1カ月展示される予定で、その後は競売にかけられる。それで得たお金はユニセフを通して子供たちの支援のために使われるという。(12日付G1サイト、フォーリャ紙電子版より)