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USP本部棟占拠終わる=学長選挙の行方はいかに

ニッケイ新聞 2013年11月13日

 学長選挙のあり方を巡り、改革の内容に反対する一部学生らによって始まったサンパウロ総合大学(USP)本部棟占拠が、12日朝、学生達の自主的退去によって終了したと12日付ブラジルメディアが報じた。
 学生達による本部棟占拠が始まったのは10月1日で、サンパウロ地裁は今月6日に学生達に退去を命じる文書を手渡した。大学側もこの日、学生達と再交渉を行い、複数の提案をしたが、学生達は同日開いた集会で、提案そのものは前進と受け止める一方、本部棟占拠とストの継続を決め、裁判所にも上告した。
 USPでは07年と11年にも本部棟占拠が起きており、11年の占拠の際は、早朝に派遣された警官隊と学生達の抗争も起き、逮捕者も出た。
 今回の本部棟解放は、警官隊が早朝に派遣された事を知った学生達が本部棟内で就眠中だった仲間に連絡したために、無血開城。朝5時半頃に警官隊が到着した時はもぬけの殻となっており、警官との抗争もなかった。
 派遣された警官250人と機動隊車両4台、消防車両2台は7時半頃までに大半が引き上げた。学生達は建物は完全な状態で退去したと言うが、大学側は、本部棟内では落書きその他の破壊行為も行われ、書類などが床に散乱していたという。学長室そのものは占拠の前に新棟に移されており大きな損害はなかった。なお、今後は副学長室なども新棟に移動する。
 学生による本部棟占拠やストのきっかけとなった学長選挙は、12月19日に審議会メンバー約2千人による投票の形で行われる。正副学長選の候補者は、同大学の運営に1987年から関与しているヴァンデルレイ・メシアス・ダ・コスタ氏と06〜09年に女性で初の学長職を務めたスエリ・ヴィレラ氏のコンビなど4組。州知事による最終指名は、12月19日の投票で上位となった3組の中から行われる。

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