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ニッケイ新聞 2013年11月13日

 熊本県人会55周年式典には、日本から39人もの慶祝団が訪れた。今回は日下野理事長の熱意が実を結び、学生の派遣も始まった。田呂丸会長は「来年5月は私たちの方から日本へ行き、移民を多く出した故郷の町10カ所ほどを訪ねたい」と語る。移民の出身地を尋ねる形の交流は、初めてとなる。同会長によれば「ここ2、3年、自分のルーツを求める三〜五世の若者の参加が増えている」とか。ただ単に日本を観光旅行するのではない、県人会ならではの新しい形のルーツ探し、日伯交流が生まれそう。
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 海興職員の野村隆輔は、井上雅二社長の妻について《日本の雑誌のゴシップに井上雅二と云っても誰も知る人はないかも知れんが、女子大学長井上秀子夫人の夫君と云った方が誰にも解り易いとあった》(『思い出』59頁)と手記に書いた。日本女子大は、大隈重信が創立委員長となり、総理大臣伊藤博文、学習院院長の近衞篤麿、文部大臣の西園寺公望、財界人では渋沢栄一、岩崎弥之助(弥太郎の弟)ら錚々たる重鎮が支援して1901年に設立された。移住業界では「海興社長」の肩書きは強いが、一般社会ではやはり妻に軍配が上がりそうだ。