ニッケイ新聞 2013年11月15日
沖縄県人会サントアンドレー支部(儀間マリオ支部長)が主催する第33回敬老祝賀会が10日午後、うるま会館で盛大に行われ、家族ら約350人が詰めかけた。同支部には250家族の会員がおり、今回は過去最高の87人が80歳以上の敬老者となった。
最高齢は102歳の金城ツルさんと、当日元気に出席した新城トシさんの二人。トシさんは名護市出身で「子や孫たちが大事にしてくれるから長生きできた。野菜中心で、刺身は食べず、煮た魚しか食べない」と笑顔で長生きの秘訣を語った。さらに101歳の高江洲盛吉さん、99歳の嘉数トヨさん、98歳の国吉和さんに続き、沖縄の伝統では特に尊重されるカジマヤー(97歳)は稲福ウシさん、新里静さんが祝われた。
最初に座嘉比昇実行委員長は、高齢者に敬意を表してウチナーグチで「より一層健康に気を付けて、一人も欠けることなく来年もお祝いしましょう」と挨拶した。 県人会本部の田場ジョルジ会長も慶祝に駆けつけ、赤嶺昇実行委員は「オジイ、オバアと一緒に暮らすことで、子孫は生きる喜びを与えてもらっている。家族を大事にするチムグクルーの心が根付いているから長寿者も多い」とお祝いの言葉をのべた。
高齢者を代表して山城勇さんが「このような沖縄の心を永遠に継承してもらいたい。心から感謝する」と謝辞を語った。当日はジュキア線のペドロ・デ・トレド市長の宮代セルジオさんも来て「来年はジュキア線入植100周年。みんなで力を合わせて頑張りましょう」と呼びかけた。先日、同地では初の「沖縄祭り」がリベイラ河沿岸日系団体連合会の協力で開催され、サントアンドレーからもバス2台で応援に駆け付けていた。
移民史に詳しい同地の宮城あきらさんは、「宮城利三郎や平良松太郎らが同線アナ・ジアスに州有地を払い下げてもらい、初めての県人開拓地を作った。これから定着の歴史が始まった」と百周年の意義を解説した。
高齢者の上原清吉さん(82、リンス生まれ)は「リンスからサンパウロに出てきた時、穀類売買をして60キロの豆袋を頭に乗っけてよく運んだよ」と笑った。与那城ヨシさん(89、サントス生まれ)は「セアザで花や果物売っていた。昔は日本人ばかりだった」と若かりし日々を懐かしんだ。内間春子さん(85、プロミッソン生まれ)も「なんでも食べる。そして毎朝10分ぐらい家の周りを歩く」と健康の秘訣を語った。
祝賀演芸会では、同地の個展音楽会、民謡愛好会、仲里百合子琉球民謡研究所、真喜屋弘先生グループ、レキオス太鼓、うるま婦人会などが次々に手練の芸能を披露し、最後はカチャーシーでにぎやかに幕を閉じた。