身内の造反劇はどこまで展開するのか――反PT(労働者党)勢力を結集して超党派与党グループ「ブロコン」を組織した民主運動党(PMDB、連立与党)の下院リーダー、エドゥアルド・クーニャ氏が17日、連邦政府の代表と会談し、議会での次の大きな焦点となるインターネット法案について話し合ったが物別れに終わった。18日付伯字紙が報じている。
与党にも関わらず、選挙に伴う大臣などの新閣僚人事に不満を抱いていることを理由に、クーニャ下議は下院の連立与党の議員らと「ブロコン」を結成した。これは政府が嫌がるペトロブラスの汚職疑惑への議会調査委員会(CPI)の発足承認や、10人の閣僚を招集して証言を要求するなど、与党の中心たるPTへ反旗を翻す行為を行い続けている。
そのクーニャ下議が次に目指す造反が、「マルコ・シヴィル・インターネット法」の下院での承認却下だ。インターネット利用者の個人の権利などを規定したこの法案は2年ほど前から議会で法案として上がっていたが、米国の国家安全保障局(NSA)によるブラジルを含む他国へのスパイ疑惑発覚を受け、ジウマ大統領が早急に通過させることを望んでいた。
だが、クーニャ下議は法案が規定する「平等性」の項目に不満を抱き反対を訴えている。この規定のままだと、ネット接続を速くするサービスを施す業務や、課金制サイトなどが廃止されることがあり得るためだ。
ブロコンは先週11日に、大臣らの召喚を決めた委員会の際に同法案の投票を求めたが、勢いにのって否決されるのを恐れた連邦政府が下院議長に頼み、投票を取りやめさせた。ブロコンはこれに強い不満を抱いていた。
クーニャ下議は17日、ブラジリアに呼ばれ連邦政府側の代表と会談した。連邦政府からはジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ法相とイデーリ・サウヴァッチ大統領府政局調整担当長官が参加した。PMDBにブロコン解消の根回しをはじめている連邦政府は、この会談でクーニャ下議の翻意を狙ったが、会談は物別れに終わった。
会談後、イデーリ長官は「下院での投票は20日に行われることになるだろう」との言葉を残したが、この法案が通過するか否かについての見通しは語らなかった。同長官はこれ以前に上院と話し合いを持った後、「法案は来週にも可決されるだろう」と語っていた。クーニャ氏も「話し合いは大切だが、連邦政府とは合意には至らなかった」と答えている。
ジウマ大統領は、同じ党でリオのセルジオ・カブラル知事にクーニャ下議の説得を期待している。これは両者が先週面会した際に既に依頼されている。それはクーニャ下議をPMDBの下院リーダーになるべく支持したのがカブラル氏だからだ。もし説得しない場合は、カブラル氏が後継知事として望んでいる現副知事のルイス・フェルナンド・ぺゾン氏の支援を大統領は行わないと語ったと報じられている。身内をまとめ上げる政治力が、大統領に改めて問われている。