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ブラジル人監督が描いた映画『時折』=22日から上映スタート

ニッケイ新聞 2013年11月20日

写真=パウロ監督と織田助監督











 パウロ・パストレロ監督が5組の日系家族を追ったドキュメンタリー『時折—グラミーニャの日系家族』(ポ語題=Tokiori – dobras do tempo,伯仏日共同制作、106分)の上映が22日から始まる。会場はショッピング・フレイ・カネッカ内のイタウ映画館(Rua Frei Caneca, 69, Consolacao)。日程は近日中に公開される。
 サンパウロ州西部オスカル・ブレッサーニ市内の小集落グラミーニャに暮らす、日系家族の3世代に渡る軌跡を記録したドキュメンタリー映画だ。日伯両国の歴史と個人の歴史を重ね合わせながら、彼らの独自のアイデンティティーを浮き彫りにする。
 パウロ監督は同集落に縁の深い人物で、50年代に農場を経営していたスペイン移民の祖父を訪ね、毎年夏休みになると集落を訪れていた。「そこで繰り広げられていた異文化同士の遭遇に魅了された」という。彼らの物語を提示することで、「自分と他者」「異なる人種の混合」という21世紀の主題に新たな視点を与えようと試みる。
 2007年から4年間かけ、同集落と、日系家族の親戚が住む福島県いわき市や愛知県蒲郡などで撮影を行った。今年1月に完成し、日本各都市で特別上映会が開かれたほか、先月から日本の大都市で開催されている「ブラジル映画祭」でも上映中だ。
 助監督の織田典子さんは「東京であったブラジル映画祭は、立ち見が出るほどだった。シネマテッカでは映画のセットも再現するので、ぜひ見にきて頂きたい」と話した。
 パウロ監督はサンパウロ大学卒業後、仏国で映画修士号を取得。06年、ジョアン・ソドレ氏らと共同制作したドキュメンタリー映画『Elevado 3.5』(75分、DVCAM)は、南米で最も注目される国際ドキュメンタリー映画祭「E Tudo Verdade – It`s All True」で審査員賞およびフランス大使館賞を受賞。国内外の映画祭でも数々の賞にノミネートされた。
 問い合わせは同映画館(電話=11・3472・2368、サイト=itaucinemas.com.br)もしくは織田さん(電話=11・98224・0192、Eメール=noriko@ebisufilmes.com)まで。