ニッケイ新聞 2013年11月22日
田中栄治さんに代わり、京セラ・ド・ブラジルに新しく着任した成塚久徳社長。台湾、中国、シンガポールとアジアに駐在して15年。5月に日本に帰れる予定だったが、帰ったとたんブラジル行きを命じられ、「会社からは『もう帰ってこなくていい』と言われた」と着任の挨拶をし、「骨を埋めるつもりで頑張りたい」という覚悟の赴任とか。京セラ創業者の稲盛和夫氏率いるブラジル盛和塾も活動さかんな土地柄だけに、さながら〃企業移民〃か。
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今月初めにあった日本シリーズを制し、創立9年目にして初のプロ野球日本一に輝いた東北楽天ゴールデンイーグルス。その優勝祝賀会が22日午後7時から、宮城県人会の屋上で行われる。東北6県人会とブラジル野球ソフトボール連盟の主催。特製のノボリは掲げられるものの、試合映像を流したり、ということはないとか。野球ファン向けというよりは、改めて東北の絆を深めようという趣旨のようだ。会費は男性35レアル、女性25レ。同県人会で毎週行われている『金曜親睦会』形式で、飲み・食べ放題。
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『岐阜県人会便り』11月号に《県内小学校、また「給食に異物」岐阜市で汁物に青虫》という記事が掲載されていた。3年生児童がすまし汁に《体長8ミリの青虫が入っていることに気付き、男性教諭に伝えた。全校放送ですまし汁を口にしないように指示した》とある。それを読みサンパウロ州奥地の農場に取材に行った時、住民がヤカンに入っていたカフェをコップに注いで口に含んだら、急にペッと小さなハエを吐き出し、何事も無かったかのように続けて飲んでいたのを思い出した。もちろん記者もそれに倣った。その記事にある全校分のすまし汁は、たかだか一匹の8ミリの青虫のために廃棄されたのだろうか…。衛生と食べ物のムダは、どっちが大事か。