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ニッケイ新聞 2013年11月23日

 画家の若林和男さんによれば、やはり「日本美術界は日本社会の縮図」とか。絵そのものの良さより肩書きが物を言うので、「芸術院(文化庁の特別機関)の会員になると、海外では名も知られていない人の絵が1枚1千万円に跳ね上がる。日本で絵が売れているのは、この会員含めた20人くらい」とのこと。間部よしのさんも「日本に比べたらブラジルは極楽」と全く同感のよう。富江さんが肩をすぼめて「もう帰りたくない」と言っていたのもわかる気がする。携帯電話技術などが日本だけが独自の方向で発達し、世界に広がらない様子を「ガラパゴス化」というが、芸術界でも同じ?
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 ラーモス移住地にヘリコプターで到着したという三輪昭大使。同地文協関係者によれば「大使の当初の予定は車中移動8時間、滞在2時間で昼食はわずか30分。もう少しゆっくり見ていただきたい」と、州政府に準備を依頼したもの。同州が豚肉の日本売り込みに成功した後というタイミングもあり、州政府のヘリ使用が許可されたとか。当地マスコミで最近記事になるような公費乱用ではないのであしからず。次は同州からの日本への牛肉輸出も解禁になるか。
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 南日伯援護協会ニュース11月号によれば、森口幸雄会長(医師)は40年前から南大河州の巡回診療の手伝いをしており、1971年に診察した6歳の〃可愛い坊や〃が現在は48歳の立派なお父さんになり、《優秀な社会人、職業人になられているのを目の当たりにして歓喜に満たされました》と書いた。さらに80代、90代の血圧、血液検査の結果が予想よりずっと良くて、《大きな喜びと慰めになった》とのこと。これも森口医師らの指導のおかげか。最後に同医師の格言《健康長寿は天から降ってきません。理性と犠牲と努力で達成を》。