ニッケイ新聞 2013年11月27日
10月末時点の連邦政府の公的債務が、前月比1・69%増の2兆220億レに達し、史上最高額となったと26日付エスタード紙が報じた。公的債務が2兆レに達したことは2012年12月にあったが、この金額は今後さらに増え、年末には2兆1千億レから2兆2400億レに達すると見込まれている。
公的債務の残高は年初から、年間融資計画(PAF)が立てた目標金額を下回ってきた。それは国債の発行額を上回る国債の買い入れを行ったためだ。1月から10月にかけての国債買い入れ額は1574億レに達したが、同期間中の利払い総額は、経済基本金利(Selic)引き上げの影響を受けて1720億レを上回ったため、公的債務の残高は昨年末より145億レ増えた。
ただし、10月に国庫庁が発行した国債総額は国債買い入れ額を153億レ上回った。利払い額は184億レだった。
10月の国債発行額の増加は、ジウマ大統領が1月に公約した電力料金値下げを維持するために、CDE(エネルギー開発のために電力会社が拠出する資金)向けの資金として33億5千万レの国債発行をした結果でもある。今年10カ月間の国庫庁によるCDEへの歳出は63億7千万レに達している。
国庫庁は、今年末までに社会経済開発銀行(BNDES)に対して200億レ以上の支出をする必要がある上、CDE向けの国債の追加発行も余儀なくされる見込みだ。
今年は特に、米国の連邦準備制度理事会(FRB)による金融刺激策の縮小が起きるか否かが不確かで市場が混乱したこともあり、連邦政府にとっての今年のPAFの目的達成は、極めて困難と見られている。
中央銀行が定めるSelicと連動して利率が変わる国債は公的債務のコントロールを困難にするが、10月末の時点での連動型国債は国債全体の19・95%に達しており、年末までに上限の19%に引き下げる事は困難と見られている。一方、コントロールが容易な確定金利型の国債の割合は40・74%で、年末時点では41〜45%になると見られている。
10月の国外投資家の国債比率は9月の17・22%から16・91%に減ったが、国債総額は1億9千万レ増え、3269億6千万レに達している。国外投資家は短期国債を長期国債に買い換える傾向にあり、国庫庁関係者は、確定金利型の長期国債の増加は公的債務のコントロールをより容易にすると歓迎の意を表明している。