ニッケイ新聞 2013年11月28日
サンパウロ市東部イタケーラ地区のイタケロン建設現場で27日午後、クレーン車が倒れ、部品と共に観客席の一部を直撃、作業員2人が死亡するという事故が起きたと同日付各紙サイトが報じた。
事故発生は12時50分頃。ラジアル・レステや地下鉄イタケーラ・コリンチャンス駅に近い東側観客席の屋根設置のためにクレーン車が吊り上げた部品が揺れ始め、東側観客席の北側部分にぶつかった後、観客席に落下。クレーン車もバランスを崩し、部品に重なるように観客席上に倒れ込んだ。
この事故で、座席設置作業を行う作業員1人と落ちた部品で押しつぶされたトラックで仮眠していた運転手1人の計2人が死亡。部品やクレーン車が観客席上に倒れた時の音は、1キロ先の駅のホームでも聞こえた。
G1サイトによると、軍警報道官は午後1時20分頃、現場から救出された負傷者2人がヘリコプターで搬送されたと発表。一方、現場で救出作業中の軍警中佐は同1時45分、作業員1人が鉄骨に挟まれて動けない状態で、救出のため、ヘリコプターが資材を撤去するのを待っていると報告している。この事故で建設作業は一時中断され、1時45分には全員に帰宅命令が出た。作業員の一人は、大半が昼食中だった事で大惨事が避けられたと語っている。
コリンチャンスのスタジアムであるイタケロンは、2014年のワールドカップ会場の一つで、6月12日には開会式と開幕戦が開催される事になっている。