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■訃報■ユバイズム実践者 瀧本克夫さん

ニッケイ新聞 2013年11月30日

 弓場農場の瀧本克夫さんが29日午前8時、老衰のため逝去した。享年91。1922年生まれ、北海道函館市千代台町出身。32年10月5日に両親の成雄・朝代さん、4人の弟妹と共にサントス丸で渡伯し、リンス市のパルミタール耕地に入植。チエテ第二移住地を経て、モジ・ダス・クルーゼス市カプテーラ地区に移転した。
 敗戦の報に接し、勝ち組の影響を受け思い悩んでいた瀧本さんは、46年にサンパウロ市で弓場勇と出会い、「その心に触れた瞬間にこの人から離れることは出来ないと直感」し、弓場農場入りした。
 当初は農場部のリーダー的存在として活躍したが、養鶏が盛んになると育雛係を担った。夜を徹して雛の世話をするため、鶏舎の一角を住まいとして餌混ぜの箱の中に寝起きしていた。
 音楽や芝居を愛し、合唱への参加は勿論、クリスマス芝居出演も欠かしたことなく、40代後半から始めたピアノも一日も休まずに続けるなど、率先して弓場の思想を実践してきた。ポンペイアの東島熊作氏に似ていたことから「クマさん」と呼ばれ親しまれた。
 30日に自宅で告別式が執り行われ、第一アリアンサ移住地の共同墓地に埋葬される。初七日法要はなし。