飢餓人口は1360万人=生産性向上などで大幅改善=世界では今も8人に1人
ニッケイ新聞 2013年10月3日
国連の食糧農業機関(FAO)が1日、ブラジルで飢餓に苦しむ人は20年間で約1千万人減って1360万人となり、国連が定めたミレニアム開発目標(MDG)を既に達成と発表したと1日付エスタード紙サイトなどが報じた。1992年のブラジルの飢餓人口は2280万人で、現在は同年比40・4%減となる。
2015年までに達成すべき具体的な目標を掲げたMDGは、2000年9月に国連で採択された国連ミレニアム宣言と1990年代に開催された国際会議やサミットで採択された国連開発目標を統合した目標で、飢餓に関しては、15年までに飢餓に苦しむ人口の割合を1990年比で半減させるとなっている。
ブラジルの場合、90年に飢餓で苦しんでいた人の割合は総人口の15%だったが、現在は6・9%。既に90年比54%減で、ミレニアム目標を達成している。
また、92年から13年までに40%減少という数字も世界平均の倍以上で、世界的に見て、飢餓撲滅が最も進んだ国の一つとなっている。FAOによれば、全世界での飢餓人口は92年の9億人から8億4200万人にと17%減少した。
だがFAOは、17%減という数字に満足していない。というのは、飢餓人口8億4200万人という数字は、8人に1人が飢餓に苦しんでいる事を意味するからだ。
また、全世界の飢餓人口のうち、1570万人が先進国に住んでいるという実態も懸念材料の一つで、世界全体の飢餓人口が減る中、先進国の飢餓人口は4年前の50万人と比べて急増。その背景には、リーマンショックなどによって引き起こされた欧米諸国の景気後退と長引く不況、失業率拡大などの影響が色濃く残っている。
開発途上国の食糧事情は改善してきているが、それでも開発途上国には飢餓で苦しむ人が8億2660万人いる。特にアフリカのサブサハランと呼ばれる地域では人口の24・8%が飢餓に苦しんでいる。
FAOでは、ブラジルなどの所得分配政策や家族農への投資などによる農業の生産性向上は、飢餓減少に大いに寄与していると称賛。地域別に見て飢餓減少率が高いのはラ米や東アジア、東南アジアで、中東や北アフリカでの減少はゆっくり、西アジアでは減少停滞となっている。
FAOによれば、今月7〜11日には、今回の報告に基づいて、政府代表者や市民団体、民間部門の人々による食の安全委員会が開催され、飢餓対策や食糧の確保と供給などに関する討議がなされる事になっている。