ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | USP=学生たちが本部棟占拠=学長選挙の改定求めストも

USP=学生たちが本部棟占拠=学長選挙の改定求めストも

ニッケイ新聞 2013年10月3日

 1日、学長選挙をめぐる大学審議会の決定を不服とし、サンパウロ総合大学(USP)の学生たちがスト決行を宣言。学長室のある本部棟は同日午後から占拠されている。2日付伯字紙が報じている。
 サンパウロ市西部のUSPブタンタン・キャンパスの学生たちは1日午後、次期学長選挙の改定に関する同大学審議会に圧力を掛けるため、学長室などがある本部棟侵入、具体的な改定が見られなかったことを不服とした学生約1千人は同日夜、学生集会を開いて、本部棟占拠継続とスト決行を宣言した。審議会中、本部棟には約400人の学生や職員が立てこもり、本部棟前で抗議した教員らもいた。同棟の扉は学生たちによって壊され、壁には落書きなども施された。
 学生たちは、学長選挙で学生や職員、教授たち全員による直接投票と、3人の最終候補者リストを作成する制度の廃止を呼びかけていた。従来のUSPの学長選挙では、投票権があるのは学内の各種審議会などの代表約2千人だけで、この2千人が一次選挙で選んだ上位8人の候補に対する二次投票は330人の学内代表が行う。その結果、上位3人のリストがサンパウロ州知事に回され、知事が学長を指名することになっている。前回2009年の選挙では当時のジョゼ・セーラ州知事が、学内投票で1位ではなかったジョアン・グランディーノ・ロダス氏を指名している。
 今回の学長選挙は、ロダス氏の任期が来年1月25日で満了するために行なわれる。1日の審議会では、2次投票を廃止し、学生たちへの情報提供の場を設けることを決めた。だが、学生たちが最も望んでいた、3人の最終候補リストの作成と知事による決定は除外されなかった。
 USPの中央学生委員会(DCE)を中心とする学生たちは、2日にUSPの全キャンパスで学生集会を招集、スト参加者の拡大を呼びかけた。
 USPでは2011年11月にも、軍警による学内警備に反対した学生たちが8日間の本部棟占拠を行っている。