ニッケイ新聞 2013年10月9日
7日、アメリカで、テレビ番組の賞としての権威を誇る「エミー賞」の国際版である「国際エミー賞」の候補作品の発表があり、TVグローボの作品も多数ノミネートされた。
同賞はアメリカを除く全ての地域のテレビ番組を対象としている。賞の常連となっているのはイギリスやオーストラリアなど英語圏の国が強いが、ブラジルのTV番組も世界的に評判が良く、特に2006年あたりからは毎年のようにノミネートが続いている。
その中でも特に健闘が目立つのがTVグローボだ。同局は、番組視聴率で2〜3位を争うSBTやレコルデに大差をつけており、国内では圧倒的なシェアを誇っている。テレビの連続ドラマ(テレノヴェーラ)には特に力を注いでおり、国内の人気俳優のほとんどと契約。その豪華役者陣を、月〜金曜の6時台、7時台、そしてメインとなる9時台に約8カ月かけて放送する長大なノヴェーラに配している。
局をあげての制作努力は国際的にも評価されており、同賞の「ドラマ部門」ではノミネートの常連となっている。
そんなTVグローボの作品は、2013年も多くの部門でノミネートされている。「最優秀テレノヴェーラ」には、昨年、悪役カルミーニャの冷酷きわまりない演技が国民的な注目を集めた大ヒット作「アヴェニーダ・ブラジル」と、ブラジル歴史劇では既にお馴染みの顔、カミラ・ピタンガが主演した6時台のノヴェーラ「ラド・ア・ラド」の2作品がノミネートされた。
「最優秀テレビ・シリーズ」(テレノヴェーラより放送期間の短いドラマ)では「オ・ブラード・レブンダンテ」、「最優秀コメディ・シリーズ」でも「コモ・アプロヴェイタール・オ・フィン・ド・ムンド」といった作品が選ばれた。
また、最優秀女優賞では「ドッセ・デ・マイン」に出演した大ベテラン、フェルナンダ・モンテネグロがノミネートされた。フェルナンダは1998年に映画「セントラル・ステーション」の演技でブラジル人でははじめて、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた女優でもある。
「最優秀男優賞」には、ブラジルのケーブル局で優良局との呼び声の高いHBOブラジルのドラマ「マンドレイク」の主役マルコ・パルメイラがノミネートされた。また、「最優秀子供番組」で文化・教育系の局「クウトゥーラ」の「ペドロ・エ・ビアンカ」もノミネートされている。
授賞式は11月25日にニューヨークで行なわれる。ブラジル勢は「最優秀テレノヴェーラ」を2009年と12年に、「最優秀テレビ・シリーズ」を12年に受賞しているが、いずれもTVグローボの作品であった。