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カナダが鉱動省にスパイ行為=ファンタスチコが独占取材=駐伯加大使に説明求める

ニッケイ新聞 2013年10月9日

 6日夜に放送されたグローボTVの番組「ファンタスチコ」が、カナダ通信安全局(CSEC)が、ブラジルの鉱山動力省の電話やメールなどの通信、インターネットへのアクセス記録を傍受していたと報じた。6日付G1サイト、7日付フォーリャ紙などが伝えた。
 同番組によれば昨年6月、「五つの目」(Five Eyes)と呼ばれるグループの5カ国(カナダ、米国、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド)の諜報機関のアナリストの会合で、CSEC独自の傍受プログラムが披露され、同省の通信記録の収集がそのシステム使用例として紹介されていたという。
 そのプログラムは「オリンピア」と呼ばれるもので、同省のペトロブラス、エレトロブラス等とのやり取りにとどまらず、国外との機関との通信記録も収集されていた。その中にはOLADE(ラテンアメリカエネルギー機構、本部=エクアドルの首都キト)への複数の電話、中東諸国、南アフリカ、カナダの機関とのメールのやり取り等も含まれており、省内で使用された携帯電話の番号、チップ、機械のメーカーやモデル等まで解明されているという。
 この会合には、米国当局のスパイ行為を暴露したNSA(国家安全保障局)元局員のエドワード・スノーデン氏も出席している。グローボ局の報道は、今年5月に香港で、スノーデン氏が米国人ジャーナリストのグレン・グリーンウォルド氏に手渡した極秘資料の一部を新たに入手して判明したものという。スノーデン氏は現在ロシアに亡命している。
 8日付エスタード紙によれば、この報道後の7日、外務省が駐伯カナダ大使を呼び出して説明を求めており、フィゲイレド外相は政府として「国家主権、国民、企業の権利への深刻で容認し難い侵害」に対する「拒否感」をあらわにした。
 ジウマ大統領はそれに先立ち、ツイッターで「(スパイ行為には)経済的で戦略的な理由があると確認されている」とのコメントを流しており、その中で「鉱業へのカナダ政府の関心、NSAが収集した情報は5カ国の政府、数え切れない数の企業にアクセスされていることを意味する」と発言している。
 なお、四つの世界的な鉱山会社のうち、3社の本部がカナダにある。