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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2013年10月10日

 「ボン・ジーア」「ボン・トラバーリョ」。毎朝家を出る時、エレベーターの中や玄関で出会ったマンションの住人と声をかけ合う。名前も知らない人たちだが、気分がいい。
 小さい頃、登下校の途中に出会う近所の人にあいさつをする習慣があった。しかし、大人になって都会へ出ると、同じマンションの住人でもあいさつしないのが当たり前になった。お互いの生活に干渉したがらない国民性に、「国が物騒になっている」との認識が手伝ってのことだろう。
 物騒さでは日本の比ではない大都会サンパウロではあるが、ブラジル人はこうした他者との緩やかなつながりを失っていないようだ。時には好奇心旺盛な彼らに「おいジャッパ」などといわれカチンとくることもあるが、都会に出た時、田舎のしがらみと共に捨ててしまった素朴な価値を再発見したような気がする。(阿)