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ベネズエラ=パラグアイと国交回復へ=パ国大統領の罷免以来

ニッケイ新聞 2013年10月11日

 ベネズエラとパラグアイは9日、両国が国交を回復したことを宣言した。両国の国交回復は2012年6月以来のこととなる。10日付伯字紙が報じている。
 ベネズエラは、2012年6月に、パラグアイ議会が「実質上のクーデター」とも称されたフェルナンド・ルゴ大統領(当時)を罷免したことに対し「非民主的だ」と抗議し、同国の首都アスンシオンから全ての外交官を引上げさせた。
 パラグアイはこの件で南米共同市場(メルコスル)の加盟権を停止された。この停止期間中に、同国がかねてから加盟に反対していたベネズエラがメルコスルに加盟し、さらには議長国に選ばれたことにパラグアイ政府は憤慨。その後の大統領選挙は民主的に行われ、新大統領に選ばれたホラシオ・カルテス氏が8月に就任すると同時にメルコスルはパラグアイの加盟権停止を解いたが、ベネズエラが議長国となった件をめぐり、復帰に難色を示していた。
 今回の両国の国交回復はベネズエラのエリアス・ハウア外相がアスンシオンに赴き、パラグアイのエラディオ・ロイザーガ外相と会談を行った後に発表された。ハウア外相は、早急に新たな大使を任命してアスンシオンに派遣することを約束した。ハウア外相は「(ニコラス・マドゥーロ)大統領がパラグアイとの国交回復を望んでいることを示すためにここに来た」と語った。
 このハウア外相からの申し出にロイザーガ外相は「驚いた」としながらも、カルテス大統領が新たな大使を選び次第、すぐにカラカスに派遣すると語った。
 両国の緊張関係は8月下旬に行なわれた南米諸国会議の際に緩和したと言われ、ハウア外相はこれを国交回復の最初の一歩と受け止めていた。
 ハウア外相はさらに、ベネズエラの企業の代表たちをパラグアイに派遣したいとの意向も話している。