ニッケイ新聞 2013年10月15日
このところ、GAPやForever21といった米国系のファストファッションの店の進出が続いているブラジルだが、コンサルタント会社クッシュマン・アンド・ウィエクフィールドのマシュー・B・ウィン氏によると、中期的な展望におけるブラジルはアメリカ大陸の中でも消費能力が高く、今後は、薬局やレストラン、アウトレットの店が進出してくる可能性が高いという。
同氏によると、世界的に見て、高所得者層と低所得者層への小売業界の取り組みは順調だが、世界的な金融危機や景気減速の影響を最も強く受けた中流クラスの消費は回復が遅れている。この傾向は、新興国市場より先進国市場の方が強く見られるという。
だが、ブラジルについては、ここ数年の国内総生産(GDP)は低成長で終わり、先の分析も的中しているが、中期的な視点で見た場合、必要最低限の品物以外の消費財を購入できる額が年間5千ドルを超える消費者が2020年までにぐんと増える可能性が高いと見ている。このような予想は、GAPなどのファストファッションの店が、これ以上伸び代がなくなってきた欧米諸国ではなく、ブラジルを目指す原因にもなっている。
ブラジルにはすでに、WalmartやCarrefourといった大型小売店も進出してきており、今後進出が予想されるのは、ファストフードを含む食産業すなわちレストランと、ちょっとした日用品なども購入できる薬局、それにアウトレットの店だろうという。
アウトレットはあらゆる種類の商品でコストと価格の両面での利点が見込める上、ブラジルでのアウトレットはまだ日が浅く、未開発の分野。国外ではGeneral ShoppingやJHSF、BR Mallsなどがすでに関心を示しているという。
ウィン氏は、これらの国際企業はブラジルでの可能性を調査中のため、今後5年間でブラジルに乗り込んでくる可能性のあるアウトレットの店は10社に上ると見込んでいるという。(14日付エスタード紙より)