ニッケイ新聞 2013年10月15日
ブラジル選手権28試合目が終わった13日、サンパウロ市モルンビー・スタジアムで開催された伝統のカード、サンパウロ(以下SP)対コリンチャンスは、試合中と試合後にケンカが起き、逮捕者も出たと14日付伯字紙などが報じた。
試合中のケンカは前半終了直前、双方応援団を仕切っていた壁付近での爆発音がきっかけだ。警備の警官はSPファンが軍警に花火を投げたというが、SP応援団は相手側応援団が最初に投げたという。この時はSP応援団と警官がもみ合い、未成年ファンがスタジアム内の警官詰所に連行された。それ以外の関係者は負傷者も含め、一言も供述せず引き上げた。
試合後は、カンピーナスから来たインデペンデンスと呼ばれるSP応援団など、両チーム応援団のバス22台中10台がマルジナル・チエテで止まり、バスを降りたファン同士のケンカが始まった。軍警は催涙ガス弾やゴム弾を使用、残りのバスを走り抜けさせるなどして抗争回避を図ったが奏功せず。付近を走っていて巻き込まれた車の運転手らは、いきり立つ両チームファンに車体やガラスを叩かれるなど、恐怖の時を過ごした。
SPファン約350人は鉄棒や石などで武装しており、現場にはガラスが割れ車体がへこんだバスが残された。SPファンの大半とコリンチャンスファン全員は逃げおおせたが、警察はSPファン21人を連行、鉄棒14本や花火、解体した鋏にドライバー、包丁などを押収。被害に遭ったバス運転手も事情聴取を受けた。
試合は、コリンチャンスのキーパー、カシオがSPキーパー、セニのペナルティを止め、0対0で引き分け。今季引退のセニは4回連続のペナルティ失敗で、コリンチャンスとの最終戦での得点チャンスを失った。コリンチャンスは現在11位で、SPは2部落ちの可能性のある17位と2ポイント差の15位だ。