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ウォルマートが店舗閉鎖=ブラジルと中国の両国で

ニッケイ新聞 2013年10月18日

 世界大で販売網を拡大しているウォルマートが15日、ブラジルと中国の店舗を12月までに20〜25ずつ閉鎖すると発表した。
 つい最近まで新興国の雄と誉めそやしていた両国での店舗閉鎖は、経済成長著しい時期に急速に増えた店舗の再編成であると同時に、両国の経済の伸びが期待したほどではなくなってきた事を反映しているようだ。
 ウォルマートのブラジル進出は1995年で、以来、南東部を中心に、大型小売店や大型小売店と卸をかねた店舗などを次々に開店。傘下の店も含めると18州で560店舗を展開しており、従業員の総数は8万1500人。店舗の内訳は、直営のハイパーマーケットが141店舗、スーパーマーケットが150店舗、大型小売店と卸をかねたアタカレージョ60店舗、傘下の店180店舗などとなっている。
 市場関係者は今回発表された縮小の対象となる店舗の大半は南部にある販売店と見られており、傘下のTodoDiaやアタカレージョのMaxxiが含まれる見込みだ。リオにあるハイパーマーケットも閉鎖される可能性があるという。
 2012年のブラジル国内での販売実績は259億レアルで、中国に次ぐ世界6位の売上だった。両国ともここ数年、販売網が急速に拡大してきた点は共通で、経済の減速化と共に販売網の見直しが必要となったために、業績の振るわない店舗を閉鎖するという話が出てきたようだ。
 ウォルマート側は、ブラジル経済はまだまだ改善の余地があると見ており、2013年の投資額は10億レアル。今年中に更に22の店舗を開設し、40店舗を改修・改築との計画もあるが、20〜25店舗の閉鎖で解雇される予定の従業員は1500人。同社ではこれらの従業員は他の店舗などに吸収する意向というが、市場関係者は、この言葉が実現するか否かは大型小売店の売上の伸び次第と見ている。
 ブラジルと中国の店舗閉鎖の話が出たのは米国アルカンサス州での年会の席で、メキシコとインドの店舗拡張のペースを落とす事も明らかにされたという。世界規模での投資額は5億ドル下方修正されたが、米国以外の国への投資削減額は、当初予算の45億ドル中400万ドル。年会では米国での戦略も見直され、同国内の推定売上額は前年比1・2〜2・3%止まりの4750億〜4800億ドルに下方修正された。(16日付エスタード紙より)