ニッケイ新聞 2013年10月18日
経営危機にある企業の再建を目的とする会社更生法の適用を裁判所に申請した国内企業のうち、経営を再建できた企業は1・12%に過ぎないと14日付エスタード紙が報じた。
コーポレート・コンサルティング社、モラレスサーレス弁護士事務所のデータによれば、2005年2月に会社更生法が裁可されてから今月10日までの8年半の間に、4千社が同法適用を申請したが、経営再建を果たしたのは45社だった。
また、債権者が再建計画案を承認した会社は申請したうちの23%で、398社が倒産している。倒産した会社は、事業を継続できなくなって実質的に消滅し、顧客も失い、機械や製品も廃品となったというケースが大部分だという。
「承認された計画の大部分が、経営再建のプロジェクトではない。基本的には借金の再交渉で、それが再建できる企業が少ない一因でもある」。同事務所のパウロ・カルナウーバ弁護士はそう指摘する。
同法は企業倒産による失業増加の食い止めを図るため、かつての和議倒産法に代わるものとして制定された。同法適用を申請した企業は180日間、債権者への返済を免れ、再建計画を立てることが求められる。債権者がその計画を承認した後に再建作業が本格化、再建できたか否かの最終判断は裁判所が下す。
衣料企業のヴィア・ウノ(Via Uno)、家電メーカーのマベ(Mabe)は最近、同法の適用を申請している。航空会社のヴァリグやAgrencoは、申請したがその後倒産した例だ。
次に同法適用を申請するとみられているのは、国外の出資者への借金返済を断念し、事実上債務不履行に陥っているエイケ・バチスタ氏傘下の石油企業OGXだ。
企業の再建には出資者の信用を取り戻すこと、事業を継続している状態を保つという二つの大きな課題がある。経営危機に陥っている会社は、従業員への給与支払いや物資購入などを行うための財源や融資額の不足で、計画通りに再建を進められないのが現状だ。
「手続き実行中も事業を継続するためには、その期間中に必要となるお金をどこから確保するかを考慮に入れる必要がある」。150社の企業再建にあたった同コンサルティング会社のテルモ・ショエレー弁護士はそう説明する。
再生手続きにおいては債権者、株主、管財人がそれぞれの利益の確保を図って法的駆け引きをするため、会社の再生そのものは後回しになることが多い。手続きに時間がかかればかかるほど、企業としての価値は下がり、再建がさらに難しくなる。また、事業が停止してしまった場合、同法の適用申請が倒産に変わるのは時間の問題ともいえる。