ニッケイ新聞 2013年10月19日
6月に全国的に起きた〃抗議の波〃で、取材で居合わせたジャーナリストも攻撃の巻き添えを食らった例が相次いだが、ブラジルラジオ・テレビ放送協会(Abert)のレポートによれば、2012年10月から今年9月までの間に、職務を遂行する報道関係者に対して脅迫、犯罪の企てや攻撃、裁判所による検閲、殺人などの危害が加えられた件数は136件を記録した。
その前の12カ月(11年10月〜12年9月)で記録された50件と比較すると172%増で、多くの場合が、デモ隊や公共物を破壊する人、少数派の警察官によるものだった。
〃抗議の波〃では、女性リポーターが軍警の銃弾で目を負傷したり、テレビ局のバンに火を放たれたりしたというニュースが記憶に新しいが、デモの取材時の報道関係者への攻撃がこの件数増加に拍車をかけたことになる。
「報道関係者への攻撃で仕事を妨害されたら、その被害は社会全体に及ぶ」と同協会のダニエル・スラビエロ会長は懸念しており、「〃報道の自由への攻撃〃は民主主義の国であっても起こり得ることを、この暴力増加の事実をもって世界に示すべき。表現の自由と報道機関が(種々の圧力に屈することなく)活動する自由は、すでに社会に根付いた価値となっているが、それを永続的に強化、監視していく必要がある」と指摘している。(14日付エスタード紙より)