ニッケイ新聞 2013年10月25日
「来年は丹下セツコさんの来伯50周年を記念して文協で盛大にやりますから、ぜひ皆さん来てください」。丹下セツコ太鼓道場(梶原アウミル代表)の第5回発表会が20日午後、サンパウロ市の宮城県人会館で行われ、司会の浜崎芳一さんは、最後にそう呼びかけた。当日は、相当数の非日系人を含め家族友人ら約200人が会場いっぱいに詰めかけ、練習の成果17曲を堪能し、来年への期待を膨らませた。
「僕が11歳の時、太鼓道場が始まって、今年で35周年。ブラジルの太鼓チームの先駆としてとても誇りに思っています」。創立メンバー5人の一人、浜崎さんはそう胸を張った。50人ものメンバーが毎週練習に励んでいる。
助六太鼓の今泉豊代表(東京)のもとで10年も修行し、昨年帰伯した小林翼さんの指導もあって、生徒らは二打ち、四段打ちなどの難しい演目も見事にこなし、上達を印象付けた。二人一組になってお互いに回り込むように体を入れ替えながら、二つの太鼓の間を舞うように叩いた。
特別に舞台を1メートル半ほどせり出させ、音響や照明も特別な機材を持ち込み、前回よりも意気込みを感じさせる舞台となった。今年もマリンガから勢至丸太鼓が駆けつけ、共演した。
3年前から道場で練習する永野スエリさん(17)は「和太鼓の音は心を揺さぶる。この道場の雰囲気は家族的で、聴衆により強くその鼓動が伝わるから大好き」と参加動機を説明した。
丹下さんは「太鼓だけでなく、挨拶もしっかりできる日系人、ブラジル人になってほしい。みなさん可愛がってあげてください」と挨拶した。太鼓道場が主催する丹下さん渡伯半世紀記念公演は来年10月5日に文協大講堂で予定されている。