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9月失業率5・4%で最低=平均収入は2カ月連続上昇

ニッケイ新聞 2013年10月26日

 ブラジル国土地理院(IBGE)が24日に発表した最新のデータによると、失業率は9月としては2002年以降で最低を記録し、平均収入も2カ月連続で上昇した。25日付伯字紙が報じている。
 9月の失業率は前月からわずかに上がって5・4%となったが、9月だけに限れば、同じ%を記録した2012年と並ぶ2002年以降で最低の数字となる。年初以降で見ても、同じ5・4%を記録した1月と並ぶ、今年2番目に低い月間だ。IBGEは「9月は一般的に雇用創出が難しい月として知られており、その中では健闘した数字」だとする。
 労働手帳での「正規雇用」が前月から1%、前年同月比でも3・5%上昇し、労働手帳を伴わない「非正規雇用」は前月比2%、前年同月比で10・2%とそれぞれ下がっている。
 加えて平均収入は前月から1・0%上昇となる1908レアルとなった。こちらも8月の1・7%に比べると上がり幅が下がってはいるものの、昨年9月に記録した0・1%を大きく上回った。ブラジルで平均収入が1900レアル台に乗ったのは初めてのことだ。
 建設部門で1・8%、サービス部門で2・5%の平均収入減が起きたが、工業部門、教育・保健・社会部門がそれぞれ3・2%、1・7%と増加したことで全体的に増えることとなった。
 今回の結果は、ブラジルの経済成長が減速化し、消費が弱まり、利子が高まり、企業への信頼が揺らいでいる中で記録した好結果だ。同院のシマール・アゼレド氏は「ここ2カ月間のインフレが落ち着いていたことで、消費抑制が緩和されたことが大きかった」と語っている。
 だが、ジブラルタル・コンサルティングの経済学者ゼイナ・ラチフ氏は「今後失業率は上がっていくことになる」と分析している。