ニッケイ新聞 2013年10月26日
国立大学・北海道大学は来年10月から、日本語が不得意な外国人を対象とした新たな留学制度『現代日本学プログラム』をスタートさせる。19、20日にサンパウロ市内で開催された留学フェアに参加するため、同大学の山下好孝留学生センター教授、川野辺創・国際本部副本部長、高木敦子・留学生交流担当が15日に来伯した。
海外の学生はもとより、ブラジル人学校など、日本国内にある外国人学校の課程を履修した者(高校卒業と同程度までが必須)も対象に含まれる新たな取り組みだ。同日に来社した3氏は「多様な背景を持った人材を受け入れることで、本当の意味でのグローバル化を図りたい」と力を込めた。
現代日本の文化、経済、政治などを中心とする4年間のカリキュラムを履修することで、学部卒業の資格を得られる。2年次までは英語で、3年次以降は日本語での授業が行われる。日本語力に不安を持つ人は、1年次がスタートする半年前から始まる事前プログラムの受講も可能。
同大学には留学生が勉学に励むものの、そのほとんどは大学院に在籍する。山下教授によれば「学ぶ内容や開講される授業を考慮すると、より日本語力が重視される」という学部への留学は、海外の学生にとって高いハードルとなっていたという。今回2期に渡って募集される定員は計20人だが、川野辺副本部長が「全学生の1割に当たる1800人まで留学生を増やしたい」と話すなど、今後の動きに向けて積極的な姿勢を示している。
詳細は大学HP(www.oia.hokudai.ac.jp/about/publications/modern-japanese-studies-program/)まで。