ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | サンパウロ市=軍警司令官が襲撃受ける=Bブロックスへの反感高まる

サンパウロ市=軍警司令官が襲撃受ける=Bブロックスへの反感高まる

ニッケイ新聞 2013年10月29日

 25日夜、サンパウロ市中央部の抗議行動の際、軍警大佐が「ブラック・ブロックス」に襲われ、病院へ運ばれた。市民が強い反感を同集団に示すようになり、孤立化をはじめている。28日付伯字紙が報じている。
 事件が起こったのは25日夜18時20分頃、サンパウロ市中央部のドン・ペドロ2世公園のバス・ターミナル入口付近だった。この日は、無賃乗車運動(MPL)が3千人を集め、公共交通機関の無料化を叫ぶ非暴力的な行進を、ヴァーレ・ド・アニャンガバウーからを行なっていた。
 行進がドン・ペドロ2世公園にさしかかると、マニフェスタソンに参加していた、黒い布で顔を隠していた「ブラック・ブロックス」がターミナルへの侵入を試み、火をつけるなどバス計10台に危害を加え、切符売場や現金引き出し機を次々と襲い、その襲撃は近隣の商店にまで及んだ。
 軍警は騒ぎを鎮めようと試みたがうまく行かず、地区司令官のレイナウド・シモンエス・ロッシ大佐は数10人のブラック・ブロックスに囲まれ、殴る蹴るの暴行まで受けた。
 負傷したロッシ大佐は同僚によりクリニカス病院へと運ばれたが、車で搬送される際も「集団のリーダー格を逃すな」と叫び続けたという。この騒ぎで計92人が逮捕された。
 ブラック・ブロックスによる暴力沙汰は6月の全国規模での抗議行動の頃からはじまっていたが、徐々に商店街や現金引き出し機などの破壊行為の方が目立つようになったことから、国民の反感も高まっている。この事件後にダッタフォーリャが行なったアンケートでもサンパウロ市民の95%がブラック・ブロックスに否定的だと答えた。
 ロッシ大佐は27日付エスタード紙の取材に応え、「マニフェスタソンの権利は尊重するが、犯罪とは別物。犯罪行為の責任は負うべきだ」と語っている。