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3割の果物野菜に残留農薬=国内無認可の薬剤まで検出=「正しい利用法広めるべき」

ニッケイ新聞 2013年10月31日

 国家衛生監督庁(ANVISA)が29日に発表したレポートは、日常的に食卓に供されている果物、野菜などに含まれる残留農薬に警鐘を鳴らしている。2011年調査分のサンプルのうち36%で検出され、2012年でも29%で検出されたことがわかった。29日付G1サイトが報じた。
 調査によれば89%のピーマン、40%以上のキューリとレタスとパイナップルから規定以上の残留農薬が検出された。これらのサンプルには国内で認可された基準値を超えた量の残留農薬を含んでおり、中には国内で使用を認められていない薬品まで検出された。
 2011年は9種類(レタス、米、人参、フェイジョン、マモン、胡瓜、ピーマン、トマト、ぶどう)の1628のサンプルを対象に行われ、このうち36%にあたる589サンプルで好ましくない結果が出た。520で農業用には許可されていない複数の農薬が含まれ、38でANVISAが許可する基準値を超えた量の薬物が検出された。
 最も多く検出されたのは主に農業用・工業用防カビ剤として用いられるカルベンダジムで、その次に農薬や殺虫剤の一種ではあるが、有害性が高いとされるメタミドホス、農薬やシロアリ駆除などに用いられるクロルピリホスと続いた。
 2012年の調査は7種類(パイナップル、米、人参、オレンジ、りんご、イチゴ、きゅうり)の農産物1665サンプルを対象に行われた。29%にあたる483サンプルで好ましくない結果が出た。
 416で農業用には許可されていない農薬、40で認可されている基準値を超えた量の薬物、27サンプルで認可されている規準を超えた量の農薬が検出された。最も多くみられたのはクロルピリホス、その次に農薬で殺虫剤の一種のアセフェート、ジメトエートと続いた。その上、152で、有効成分(医薬品、医薬部外品や農薬などに含まれる物質のうち、生理活性を示すもの)が検出された。
 この結果を受けANVISAは、「農業者の養成における改善を進める必要性がある。農薬の正しい利用方法を広めることが、農薬使用時に起こりうる不適切な農薬曝露を防ぐ」とコメントしている。