ニッケイ新聞 2013年9月4日
国家法務審議会(CNJ)が8月7日からセアラ州で行っている刑務所の一斉調査で、1960年代に逮捕され、1989年に釈放されていたはずの男性が、いまだ収監され続けていた事が判明した。
セアラ州州都フォルタレーザ近郊にあるイタイチンガの刑務所で見つかった男性は80歳位と見られ、60年代収監との記述に間違いがなければ、ブラジルで最も長く刑務所に入っている人物となる。男性の名前や年齢、逮捕された理由などは明らかにされていないが、ここ数年は車椅子にオムツという生活を続けているという。
CNJの一斉調査は、各々の刑務所の設備や収監者の扱い方が適切か、違法な収監例はないかなどを調べるもの。セアラ州での一斉調査は2009年と2011年にも行われ、11年の時には6500件の収監例が調査の対象となり、1200人が刑務所を後にしたが、この男性がいる刑務所は調査の対象となっていなかった。
セアラ州法務局によると、現在の収監者は1万9665人というが、今回の一斉調査では、問題の男性がいる刑務所だけで、刑期が終了したり、刑が取り消されたりしたのに、家族が見放したなどの理由で収監されたままになっている人が6人見つかっている。
また、この刑務所は古い建物をそのまま使っており、早急に建物全体の改修工事を行う必要があるという。セアラ州での一斉調査は9月6日まで継続され、裁判待ちの収監例も含む1万8600件の事例について調査を行う。
一斉調査はまだ終わっていないが、CNJは、セアラ州法務局に対し、フォルタレーザ近郊のカウカイアにある刑務所と州西部にあるチアングアの刑務所の二つを閉鎖するよう勧告する予定だという。(8月31日付グローボ局サイトより)