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リオ軍警=UPP司令官を入れ替え=ロッシーニャにはプリシラ氏

ニッケイ新聞 2013年9月7日

 リオデジャネイロ州軍警が6日、リオデジャネイロ市内のファべーラ(貧民街)に設置された34の治安維持部隊(UPP)中、25の司令官の異動を発表した。
 8月8日にUPP全体の指揮官となったフレデリコ・カウダス大佐によれば、今回の人事異動はUPPの任務改善のためで、8月28日に異動の内示が出たロッシーニャなど、25のUPPの司令官が入れ替わった。
 ロッシーニャの司令官交代は、7月14日に起きた建設作業員のアマリウド・デ・ソウザさん失踪事件にUPP警官が関与したとの疑惑があり、住民との信頼感が揺らいでいる事などが原因だ。
 2012年9月の開設以来、指揮をとってきたエディソン・サントス少佐に代わって陣頭指揮をとるのは、リオ市で最初に設置されたサンタ・マルタUPPの初代司令官として2008〜10年に陣頭指揮をとったプリシラ・デ・オリヴェイラ・アゼヴェド少佐だ。 プリシラ少佐は、女性らしい細やかさで地域住民の必要を察知し、それに応える事で信頼感を得、子供達からも慕われた人物だが、麻薬密売者らが暗躍する地域のUPP指揮官として犯罪者にも対峙。2007年に電撃誘拐に遭った時は、警官である事に気づいた犯人らから暴行を受けたが脱出を試みて3度目に成功した。翌日は自らが陣頭指揮をとり強盗団を逮捕したというエピソードの持ち主でもある。
 2012年には「世界で最も勇気のある女性10人」の1人に選ばれて米国へ行き、ヒラリー・クリントン国務長官(当時)が司会する式典で、ミシェル・オバマ大統領夫人から表彰された。
 UPPの警官と住民のいさかいや警官から暴行されたといった訴えは後を絶たず、住民との間の信頼回復が急務のリオ市。6日の任命式でサンタ・マルタの住民達から祝いの花束を受け取ったプリシラ少佐は、「軍警を信頼して欲しい」と住民達に訴えた。(6日付グローボ局サイトより)