ニッケイ新聞 2013年9月7日
双方の話がかみ合わないUPK問題の取材は、まさに芥川龍之介の小説『藪の中』のようだった。
しかし取材が進む内、山尾会長は終始冷静で、説明にブレがないとの印象をもつようになった。一方、結城前会長の方は、憤慨気味に「もう弁護士と話してくれ」「今の会長は僕じゃない」と開き直るような発言が多く、理解が難しいと感じた。
しかし、後に結城氏からの反証書類を読み、実は官僚側が突然〃解釈〃を変えたとか、引継ぎが悪かったという可能性を強く感じ、少々考え込んだ。大企業ですらまともな引継ぎがないことがある当地において、08年当時から3度も省内で人事異動があったのだから、実は観光省側の不手際だったというオチは十分ありえる。
20周年という節目を前に、〃借財〃という汚名に加え、UPK内部の暗雲が晴れることを心から願う。(阿)